師匠は以前はロープと針金と工具とチェーンを必ずもって林道を攻めていた という程の筋金いりの無茶しいだった。「ロープは何につかうんすか?」 「ん?崖から落ちたときひっぱりあげるのロープないとしんどいやん」 こんな会話をしながらどんどん不安になるのだった。さて、林道天国四国といっても いままで興味もなかったのでコースは師匠にまかせることにした。適当に40km程 走るコースだそうだ。当日の僕のいでたちはonメットにgenteiジャケット(一応パット入 り)、脊椎パット、ニーパット、ジーパン、onブーツというonライダーいっぱいいっぱいとも言える装備であった。
家を出発して走ること20分、マシンは快調だ。途中でメーターが動かなくなったが 気にしない。ある交差点から山にはいり、徐々に未舗装に。
想像とは違って石がゴロゴロあるけど、師匠は楽勝で走って行く。僕はカーブの 曲がり方がわからず、そのまま突っ込んで曲がり切れず転倒1回目。
と気づいたらそこそこ走れるようになった。師匠からも「最初40km/h以上で走れるか どうかがポイントなんだよね」って言われた。あんまり恐がってトロトロ走ってる と滑って立て直す間もなく転ぶらしい。それで気を良くした僕はガンガンスピード をあげてまた転んだ。カーブで開けてこけ、閉じてこけ。 なんで師匠はドリフト出来て俺にはできねえんだ、と悩んだ。KDXは2stだからと いうのに気づくのが遅かった。でも面白かったからよし。
ひたすらこけまくったせいか、KDXに足を挟まれてなおかつチェーンが外れた。 バイクに乗っててチェーンが外れた事がなかったので「えらいこっちゃー」と 途方にくれてたら、はるか前方にいってた師匠が帰って来た。半泣きになってる 僕を後目にスプロケにチェーンを引っかけて後輪を回した。チェーンは2秒で元通り。 チャリの段(懐かしい)を切替えるみたいな要領。ほほーぅ、勉強になったっす。 そんなこんなでさすがに転ばなくなったころ、師匠が「お前、前走れ」というので ちぎってやるとか思いながらぶっ飛ばした。ミラーを見ると段々師匠が小さくなって行く「しめしめ」。つぎの瞬間ギャップでふっとんだ。よそ見をしたためだ。 師匠曰く
転んだのは別にいいのだが、困ったことにチェーンが切れてしまった。 もちろんチェーンの替えなど持って来てない。ここは山の中。針金でコマを繋いで みたりしたがさすがに125とはいえ、ちょっとトルクをかけるとすぐ切れてしまう。 仕方ないので近所の民家にお願いして預ってもらう。そのまま、師匠と二人乗りで 林道をトコトコと走って2時間程かけて街まで降りる。その間にさっき挟まれた足が 猛烈に痛くなる。けど我慢する。 なんとか街までおりて最寄りのレッドバロンでチェ ーンを買う。在庫があるが切らないといけないとの事で、その間に師匠が家に車を取 りに帰った。しばらくして、ノーマルの長さに切ってもらったチェーンをもってま た再び山に。ええかげん暗くなっていたがしょうがない。つきあってくれる師匠に 感謝。ふと車を運転する師匠をみるとモトパンが裂けている。どうしたんすか? って聞いたら
らしい。おばちゃんカーが突然飛び出して来て空を飛んだらしいがプロテクターの おかげで助かったらしい。ちなみにdjebelはライトのガードが削れたぐらいで すんだそうな。おばちゃんにはきっちりどなりあげといたらしい。
うろ覚えの道を通って民家までいき、チェーンをはめる。民家のおじちゃんとおばち ゃんはとても親切でライトをつけてくれて、さらに工具まで貸してくれた。挙げ句の はてにビールまでご馳走してくれると言ったがさすがにお断りした。(^^;
んで、ここでハプニング!ノーマルの長さに切ってもらったチェーンだったが 実はKDXがノーマルじゃなかった。ドリブンスプロケの歯数を増やしていたため ノーマルじゃ長さが足りない....なってこった。仕方ないので、エキセン(じゃないか、チェーンの張りを調整するところ)を規定外まで縮めて、なおかつチェーンをあらかじ め繋いだ状態で、さっきの「チャリ段変えはめ」の要領ではめようとする。でも無理。 そこで最後の手段。まず、アクスルを抜く。リアホイールをフリーにした状態でチェ ーンにスプロケをひっかける。そのまま無理矢理アクスルを突き刺す。成功。 チェーンははっきりいってかなりピンピン。おじちゃんおばちゃんにお礼をいって 帰る事にする。が、足が痛すぎてキックを踏めない。師匠にエンジンをかけてもらっ て乗って帰る。道がわからないので師匠が先に車で走りその後ろをついてはしる。 エンストしたら死んでしまう。と思いながら必死だった。なおかつチェーンがある程度 伸びるまでショックは与えないように細心の注意を払いながら帰るのであった。
教訓:ブーツは良いのを履きましょう。