SLY 3時間耐久レース 10位


はじめに

普段はライバルであるりんたまさんのチームに誘われて、相方 ともども山梨の耐久に参加してきました。りんたまさんのチー ムは常勝といってもおかしく無いチームで、CBR250RRで39秒フ ラットとか意味が分からないタイムで優勝するようなチームで す。

一緒に組む人は、マシンオーナー兼、チームオーナーのりんた まさん。隼乗りでもあり熱い走り屋(?)のダッチ。さん。我 が妻の四人。サポートしてくださるのは、Okogeさん、ちゃっ !さん、彼女さん、シャバ憎さん。

りんたまさん一門(?:すいません良く考えたら皆様方の関係 をよく知りません)にゲスト参加という感じです。

この耐久レースは昨年残念な事故があった事もあって、 もともと安全志向はかなり強かったのですがさらに強化されま した。朝はアルコールチェックと、血圧のメディカルチェック 、ピットロードに出るときは蛍光ベストの着用、ヘルメットリ ムーバーの採用。

そして今回の大きな変更はライダー個別の予選が採用された事 です。これは各チームのエースライダーによるグリッド決定の 予選時のトップタイムの120%のタイムを、今度は参加ライダー 全員が5分間のタイム計測内で出す必要があります。

これによりスキル不足のライダーの参加の足きりをすると共に 、5分間大事に走り次のライダーにつなげるという冷静さを求 めるものと思われます。

※たとえば予選一人目が転倒してマシンを破損した場合、次の ライダーは予選出走ができず、ライダー3名というレギュレー ションに失格する。

エースライダーによる予選(10分?15分?)

りんたまさんが行きました。ポール候補なので、個別予選の基 準タイムになる可能性があります。タイムは出して欲しいけど 、あまりにダントツのタイムを出すと自分達の首を絞めます。 先ほどの練習で予想されるタイムは全員余裕でクリアできるこ とは推測していましたが、予選はわずか5分、何かトラブルが あったら出せない可能性もあるので、難しいところです。

りんたまさんには「頼むから程ほどで…」とお願いし、 みんなでピット内のモニターを凝視します。

40秒0(よし)
39秒9(よし)
39秒5(…)
39秒3(おーい)
39秒2(おい!)

見事ポールをとり、帰ってきたりんたまさんを手荒い祝福で迎 えましたが、ヘルメットを叩く手に思わず力が入った事は否め ません。

個別予選

基準タイムが47秒だったので、45秒にはいったら帰ってこよう かと思いましたが、ゆっくり走ると逆に転びそうなので普通に 走りました。心配していた転倒もなく全員軽く予選突破。

本戦

さて、緊張の本戦開始です。耐久レースは実に久しぶりです。 しかも、今回はうまく行けば優勝も狙えるチームであり、 普段ののんびり参加も楽しいですが、こういうピリピリした 雰囲気もまた楽しいものです。

トップバッターはりんたまさん。緊張の中擬似ルマン式で、第 二ライダーのダッチ。さんのタッチを受けてポールからスター トする事になります。スタート前の独特の緊張感の中、ダッチ 。さんも集中しています。

フラッグが降ろされ、第二ライダー達がダッシュ。 タッチをうけたライダー達が、4st250独特の爆音を響かせなが ら1コーナーに突入していきます。

動画

トップライダーのりんたまさんがトップをキープしたまま39秒 台で快調に周回を重ねていきます。ダントツかと思いましたが 、もう一人りんたまさんと付かず離れず走るライダーがいまし た。(国際ライダーとかたまにいるから油断できません)

20分程の付かず離れずの激しいバトルを手に汗を握りながらモ ニターを観察していましたが(20分走って0.2秒差!)、突如り んたまさんがピットイン。聞いてみると「オーバーヒートした 」との事。水温が110度になっている。りんたまさんはさっさ とヘルメットを脱ぎ休憩モード。

我々は先ほどまでの緊張感とのギャップに戸惑いますが、オー バーヒートした以上、できる事といえば風通しのよい場所にお いておく程度で水温が下がるまで待つしかないのです。(あわ ててキャップをあけると沸騰した冷却水が噴出して大やけどの 危険があります)

緊張の中で待っていた第2ライダーのダッチ。さんはヘルメッ トを取ることも忘れ(あるいは水温が下がったらすぐにいける ように)じっと集中しています。

しかし、いくらりんたまさんの走りが熱かったとはいえオーバ ーヒートするのはおかしいという事で、水温が97度くらいまで 落ちたところでシャバさん、ちゃっさん、okogeさんたちの協 力でてきぱきと冷却水の交換。冷却水をタオルでカバーしなが らの作業でした。冷却水を交換することでオーバーヒートを防 げるくらいの効果があるかどうかはわかりませんが、今出来る ことはこれくらいなのです。

冷却と水の入れ替えで15分程経過したでしょうか。先ほどまで0.2 秒を争っていたのが15分のビハインドです。勝負は完全に終わ りました。

しかし、次のライダーのダッチ。さんは集中力を切らすことな く、徐々にペースを上げていきます。予選中のタイムを上回り 、とりあえず出したいといっていた40秒台に突入。無事に走り きった後第3ライダーの僕に交代。

さっきの予選のときに42秒くらいで走りましたが、感覚として は40秒はうまくすれば切れそうな感じがしました。昨日の隼で の不可解な転倒を払拭するには、自分で凄いと思える事を自分 自身で実行しておきたかったので、あえてりんたまさんには「 多分39秒でます」とわざわざ宣言していたほどです。

徐々にペースを上げていき、とりあえず41秒台。気になる水温 を見ると水温は90度〜95度で安定しているようです。水温が気 になるので使わなかった1速を使って見ます。

りんたまさんに事前に教えてもらったラインでは2速のコーナ ーでしたが、隼とかグースとかわりとトルクで走ることに慣れ ている自分としては小回りで1速で走りたい箇所があったので す。タイムは40秒台に入りました。水温も安定しています。

原因は水だったのか…。

予選のときにもかなり水温が上がっていてリザーブタンクに水 が溜まっていたため、一応対策として隼の高圧のラジエターキ ャップに交換していたのです。その時、なぜ、念のため水も変 えましょうとなぜいえなかったのか。

僕が尊敬するあのポエマーは僕が率いたチームで耐久に出たと きに、お遊びのレースなので気軽にやろうという雰囲気の中で 、彼の性格に反して「念のためマシ締めしましょう」「念のた めガムテープで固定しましょう」と言いにくそうに言っていた 。

それを思い出してちょっと悔やみました。

「やはりレースは勝たなければ意味が無い」とまでは言わない けれど、自分が出来ることを精一杯やってこそ楽しいと自分は 思うのです。今自分が出来ることは、上のチームに付けられた20 ラップ差を19ラップにすること。またチームのために、そして 自分の技術を磨くために、緊張感をキープしたまま出来るだけ 安全かつハイアベレージで周回を重ねること。

手元にラップチャートが無いので(自分のベスト付近だけ写真 にとった(笑))記憶をたよりに書きますが、40〜41秒台で周 回が出来たと思います。39秒入るか?というところでセーフテ ィーコントロールが入りライダー交代。

そして相方にバトンタッチ。相方はかなりの慎重派なので最初 の数周はペースが上がらないかなと心配していましたが、イン ラップの最終コーナーで膝を擦りながら物凄い勢いで立ち上が ってきました。

それをみて安心した自分は装備を緩め椅子に座ってりんたまさ んが食べている鳥の皮をうめーうめーと食べていました。ここ でまたセーフティーコントロール。予選のやり方が奏功したか 、いつもよりも少ないとはいえ時々起こります。

夫の反射として相方を心配しましたが、相方はあれだけ走りま くっているのに、アプリリア時代、R6時代と大きいバイクでは2 年近くも無転倒なのです。いつものように相方の無事な姿を確 認しようとしたらセーフティーカーが1周しても見つからない 。見落としたかと思ってもう一度凝視したけど見つかりません でした。見れば隣の知り合いのピットもバイクが帰ってきませ ん。まさか多重…

毎回走り出すときにはお互いに「気をつけて」といって送り出 していますが、それを思い出しながら悪い予感がざわざわとし てきたころ、りんたまさんが「お、立ってる!歩いているから とりあえずは大丈夫そうだ」とつぶやきました。

ドナドナカーに乗せられて帰ってきた相方はとてもすまなさそ うに、しかしコミカルに謝りながら帰ってきました。よかった …。聞けば集団の中で走っているときに、ちょっと怖かったけ ど譲るのもチームメイトに申し訳ないので我慢して走っていた ところ、ギアが抜けてしまい、失速してラインが変わったとこ ろを別のバイクに突っ込まれてしまったそうです。

バイクの方はクラッチレバーが曲がり、ステップが破損し、ペ ダルが曲がりましたが、みんなで手を真っ黒にしながら(僕は ひたすら写真とってましたが)スペアパーツにすばやく交換さ れました。

頭を打って(激しく後転したため目が回ったとの説もあり)若 干ふらついているので、いいから座っとけという言葉をさえぎ って気が弱い相方は、みんなに申し訳なくて心配だからと作業 を見守っていました。

大丈夫だ、相方は(呼びかけるのに相方というのもどうかとお もうけどハンドルネームみたいなものだと思ってください)悪 くない。追突されても転ばないバイクなんて無いのだから(隼 はNSR50に追突されて平気だったけど)気にするな。だから落 ち着いて座ってろ。

頭では納得しているようですが、2年ぶりの転倒、りんたまさ んのメインバイクでの転倒、そして耐久中の出来事、みんなに 申し訳ない気分でいっぱいだったようです。

そしてダッチ。さんに交代。最終の立ち上がりが壁スレスレ、 で、物凄い勢いで飛ばしてきます。物凄い気迫です。

そして次に僕、ダッチ。さんからマシンを受けます。 給油所でダッチ。さんにインタビューしていたりんたまさんか らシフトが若干入りにくいだけで後は大丈夫だ。との伝言を受 けます。

相方は自分のせいで他の人のタイムが出なかったらどうしよう と気にしています。そんなもん全く関係ない事を証明しようと 、ピットアウトし、2コーナーを小回りしたあとから全開です 。タイヤは僕が大好きなピレリのSC2、全然平気。 確かコースインして4周目には39秒に入りました。

りんたま号CBRは、、

250ccとは思えないトルクとパワー(270ccくらい?)。

そして、車体は地面に張り付くように走り、どんだけ遠心力を かけていっても、グースのようにフレームがよじれたりしませ ん。

セオリーを守る限りはどんなにアクセルを開けていっても平気 で、さすがに1コーナーで進入でブレーキとフルバンクとアク セルを開ける操作をラフにすると前後タイヤが逃げていきます が、その時でも限界の領域に幅があるというか、これ以上はヤ バイ(いやいけるのかも知れないけど自分の腕では)という事 を教えてくれます。

このバイクは信用できる。特に黒いのがいい。 これならもう少しだけタイムアップできるかもしれない。 そして憧れの肘すりが出来るかもしれない。


いや全然できてないから

そしてもちろん自分も超頑張れている。 昨日の転倒は完全に払拭できたと考えていいだろう。

というようなおかしな事を考えながらペースをさらに上げてい こうと思っていた矢先にヘアピンでライダーが転倒していまし た。スリップ痕を見ると、高速の右コーナーからの下りでブレ ーキを頑張りすぎてフロントからスリップダウンした感じです 。数周してもライダーはピクリとも動かないので心配になりま した。(鎖骨骨折ですんだようです)

SCカーが入り、その2番目に並びます。 1番目のライダーが給油に入ったため自分が1番です。 SCカーがピットインした直後、目の前には完璧なクリアがあり ました。解除後すぐに40秒1に、クリア取り放題なのでそのま まペースを上げていきますが、40.2,40.3,40.0と必ずどこかで ショボイミスをしてしまいます。そのうちに、周回遅れのライ ダーに遭遇し、かわしながら走りますがすぐにライダー交代。

再び相方に。考えてみればまだ数周しかしていません、それに 転んだままというのは自分でも許せなかったのかも知れません 。遅くは無いが決して無理しないペースで周回を重ね、りんた まさんと交代。

りんたまさんは失うものはもう無い、という様子でタイムアタ ックを繰り返していましたが、途中で疲れたようで程ほどのタ イムで周回。ファーステスト更新はならずで、悔しそうでした 。

結果チームは下から3位くらいでしたが、それぞれのドラマが それぞれにありました。耐久レースは、楽しい、よかったね、 的なことだけじゃなくて、笑いあり、涙あり、友情あり、感動 ありのいろんなドラマがあって味わい深いものだという事が伝 われば幸いです。

ま、僕だけに限って言えばちょ〜面白かったです。バイクに乗 れればそれで幸せだし、耐久でみんなでごちょごちょやるのも 好きです。というわけで、別の味付けで書いてみましたが、お かげさまで楽しかったです。参加者のみなさん、どうもありが とうございました。


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