HOC(Hayabusa Owners Club)で、ギアポジションセンサーに 抵抗をかます改造がはやっている。
効能は、
*アクセル開け初めのドンツキ、ギクシャクが解消される
*燃費が良くなる
等である。
しかし、何故こうなるのかはHOCでは分かっていない。 元ネタの人も、「とある情報を元に」バイク屋とトライアンドエラーを繰り返し てこの方法を編み出した、といっている。その「とある情報」を持ってきた人 を初めとして実際に何が起きているのか分かっている人は居るはずなのだが、 全然情報は出てこない。
というわけで推測してみた。
まず、 上の方法の回路図 において無改造時にギアポジションをN,1,2,3,4,5,6とギアを変更した場合に隼のコンピュータ のギアポジションセンサに入力される値は以下のとおり。この値は、ギアのポジ ションによって抵抗値が変化する事によって変更されているとの事です。
1st 1.79V
2nd 2.26V
3rd 4.99V
4th 3.67V
5th 4.35V
6th 4.68V
N 4.98V
これは実際にHOCの人が測定した値。
この数値を良く見てみると、"1","2","3456N"の3つ、あるいは、"12","3456N" でグルーピングできそうである。
ノイズが多いバイクに使う値としては、かなり大まかにグルーピングされてもおかしく はないので、一つの閾値(3.0V辺り)を使って"12","3456N"分けられている可能性が かなり高い。
それを踏まえて、 上の方法が何をやっているのかを考えてみると、抵抗を挟んでバイパスさせることによって、 入力電圧をある値以下にさせているように思える。
ある値というのはズバリ「閾値」であって、つまりどんなギアに入れていようと1,2速に 入っていると隼を騙すための改造っぽい。
それで、ただ入力電圧を下げるだけなら抵抗など挟まずとも直接アースすれば いいのだろうけども、ここで、 上の方法で抵抗値を決めるときに「FIランプが点灯しない(FIのエラーがおきない) 範囲で一番小さい抵抗値」としているのは、 おそらく入力電圧はある値以下だとFI(Fuel Injection)のエラーになるんだろうと思われる。 また「一番小さい抵抗値」としているのは、この抵抗が大きくなると、今度は入力値が高く なってしまって、結果、もともと高い入力があるようなギアの時に「閾値」を越えてしまい改造 の意味がなくなってしまうからだろうとも推測される。
では次にこの「閾値」を使って何をしているのかを考えてみると、隼には8つの燃料噴射 マップがある事が知られている。それは何かというと 直線番長さんのページ にあるように各気筒毎に「高負荷時のマップ」「低負荷時のマップ」が用意されている。
このマップの切り替え条件はイマイチ知られていなくて、ギアは関係なく4000回転を境に 切り替えられているという情報が一番有力だけど、実際のところはわからない。
ここで、今まで書いてきた「閾値」でマップの切り替えを行っていると仮定すると 今までの話が矛盾無く通るようになる。
つまり、常に1,2速であるように隼のコンピュータを騙すことによって3,4,5,6,N速でも 低負荷のマップを参照するようになるとすると、低負荷時のマップはエンジン回転数と 吸気圧によって燃料を制御しているため、アクセルを必要以上に開けても負圧キャブの ように吸気圧があがってくるまで燃料を噴射しないという事になる。
どういう事かというとつまり、アクセルに対して鈍感になる、つまりギクシャクしなく なるし、燃料の出方も穏やかになるため、アクセルの開け初めのショックも小さ くなるだろう。また「必要以上の燃料を噴射しない=燃費も良くなる」という事 が予想され、最初に述べた効能があることも十分予想される。
さらに言うと 直線番長さんのページ の低負荷時のマップと高負荷時のマップを見比べてみると、アクセルを開けっ放しにした時の 最終的な燃料の噴射量(噴射時間)はほぼ同じであるため、最高速や最高馬力は変わらない だろうし、低負荷時のマップを使って負圧キャブ的な動作をさせたところで、1300ccのエンジ ンはそれなりのレスポンス、加速をするであろうから、よっぽど敏感な人で無い限り加速が 鈍くなったとは感じないかもしれない。
という結論に達したんだけど、マニュアルは高くて買えないし、予測の域を出ないので 情報を集めてもっと検討する必要はあると思う。
余談だけど、低負荷時に高負荷時用のマップを読み込むように改造すると.... 1速、2速では手に負えないようなモンスターバイク(のりにくいだけ)が出来上がる気がする。 誰かチャレンジしてみてください(^^;